Record 01 ── 起筆
2026.7 ── Shigaraki
まず、壺を焼くところから。
最初の一歩は、信楽から始まった。千年続く窯場で、嘉祥窯・森岡嘉祥が、信楽の土から20Lの熟成壺の試作にとりかかる。
壺でのワイン熟成は、世界で評価されている醸造技術だ。無釉の陶の肌がごく微量の酸素をワインに通し、タンクにはない丸みが生まれる。木樽と違って木の香りを乗せないため、葡萄と土地の輪郭がそのまま残る。まずはこの熟成壺で、原村のピノ・グリを育てる。
そしてこの壺の先に、もうひとつの構想がある。熟成を終えたワインを収める、一年だけの陶器ボトル。その釉薬に、原村の畑の剪定枝の灰を使えないか──いま、検討が始まったところだ。
写真は、その最初の壺たちである。